Story産地開発ストーリー

根張星(ネバリスター) in 北海道中川郡池田町

Nebaristar

プロデューサーとして
ヤマノイモの新星を世に送り出す

試験栽培で思わぬできにびっくり!

ある種苗会社が、それぞれがヤマノイモの一種であるイチョウイモ(大和芋)とナガイモを掛け合わせた新しい品種を開発し、2008年に「ネバリスター」という名前で品種登録を行いました。これに着目したのが北海道のJA十勝池田町で、2008年度にはさっそく試験栽培をスタートさせました。

もともと池田町はナガイモの栽培を行っていましたが、粘土質の重い土のため品質のいいものはできていませんでした。ところが、この新品種はこんな土をものともせずたくましく根を伸ばすことができ、思いもかけず高品質のものを収穫することができたのです。
これに何らかの付加価値をつけて、世に送り出せないかと考えたとき、声をかけていただいたのが、それまでタマネギなどの品目でお取引をさせていただいていたワタリでした。

試食して「これはいける!」
とピンとくるものが

翌2009年、ワタリのスタッフが試食を行いました。これまでのナガイモと比べ、品種特性でもある2倍以上の粘りはもちろんのこと、驚くほどの旨味となめらかな舌ざわり。この美味しさは青果物のプロフェッショナルとして、「これはいける!」とピンとくるものがありました。
そこで、「これをどのようにして世に送り出すか」の大作戦がスタートしたのです。まずは、「ネバリスター」は品種名ですから新しい名前を考えなければなりません。また、これまでのヤマノイモとは異次元の商品ということで、まったく違った販促活動を行うことを決め、ワタリがプロデュースする形で売り出すことになったのです。

〈根張星〉という名称で
商標登録する

そこで、商品名です。社の内外から「ネバリスター」っていい名前じゃないか、という意見が多数寄せられました。そこで、これに漢字をあてはめるとどんな感じになるか書道家の先生に相談したところ、〈根張星〉という現在のブランドが誕生し、これを商標登録することができたのです。
ちょっと紛らわしいので、ここで少し整理しておきます。「ネバリスター」というのは、あくまでヤマノイモの品種名です。それに対して、読み方は同じなのですが、ワタリの〈根張星〉ブランドは、JA十勝池田町の栽培農家さんが生産したものに限定して、栽培方法から貯蔵・出荷にいたるまで、すべてJA十勝池田町とワタリによって作成されたガイドラインにそって出荷されるものなのです。

根張星が最初に商標登録された9月2日は「根張星の日」として、日本記念日協会により記念日登録されています。

次に販促活動ですが、ベジタブルマイスター(現・野菜ソムリエ)の方々にこれを食べていただき、野菜のプロフェッショナルの口コミでブランドの浸透を図っていきました。
また、ワタリとお取引のある全国各地のスーパーマーケットで〈根張星〉をメインにした試食販売イベントを企画して、消費者の方々に実際に食べていただく機会を数多く設けました。食べていただければ、確実にファンは増えていくと確信していたからです。

こうして現在、〈根張星〉は池田町の特産品となり、生産量は拡大を続けています。

「まずはとろろで食べてみてください、美味しさをストレートに体感いただけます」と語る、生産者の中西さん。すり鉢を用意する必要はなく、家庭にあるおろし器で十分です。

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